これらの事件は同世代が起こした事件です。
昔から年が変わっても同じ世代が世間を賑わす事件を起こすことを不思議なこととして
過ごしていました。
この世代は「キレる17歳」と言われた世代です。
私たちの世代です。
1990年代後半から2000年代初頭にかけて、日本で広く使われたフレーズで、
この言葉は、当時の若者、特に17歳前後の年齢層に属する人々が、
衝動的かつ暴力的な行動をとる傾向があるという社会的現象を表現するために使われました。
この現象の背景には、家庭環境の問題、教育システムの変化、社会的なプレッシャーなどがあると考えられており、17歳という年齢が特に注目されるきっかけとなったのは、一連の凶悪事件がこの年齢層によって引き起こされたからです。特に「神戸連続児童殺傷事件」(1997年)や「西鉄バスジャック事件」(2000年)など、少年による残虐な事件が社会に衝撃を与え、この言葉が広まりました(J-CAST ニュース)
「キレる17歳」は、当時の社会が抱いていた若者に対する不安や、若者自身が感じていた閉塞感や苛立ちを象徴する言葉として使われました。
当時は学生でしたが、このような事件に興味があり、調べていると
共通点があることに気づきました。
当初は自分で「大発見」だと思いましたが、のちに社会科学や警察の白書で同様のことが言われていることを知りました。
このような犯罪は
郊外の県境の、IC付近のコンビニやファーストフード店が並ぶジャスコの近くで起こっていると気づき,
都内近郊でそのような要素を持つところを調べたところ、
千葉県の東金市というところがそのようなファクターが多いと思いました。
なので、当時2004年に千葉県警にて東金の犯罪率の推移と、東金市役所にて都市の開発の歴史をもらい、データプロットをしてみました。
3倍の前年は国道開通でした。不特定多数の人がくると犯罪件数はあがっていくことは想像できます。
9倍の前年はジャスコの参入でした。国道とは違い、犯罪件数との関わりが分からなかったため
当時、フィールドワークという言葉も知らない時に、実際に東金に行き、インターホンを鳴らし、
ショッピングモールができてからまちや人の関係性で何が変わったのかを聞いてまわりました。
正直7割くらいの人が「あんまり思い当たらない」という回答でしたが、
3割の方々が「その頃から鍵をかけるようになった」「当時は便利になって嬉々としてショップングモールに行った、煩わしい商店街の会話をしなくていいから良いと思った」「その頃からぶつぶつ変なことを言う人が増えた」「商店街が寂れた」
と言う声がありました。
そこで「地縁がなくなることにより、地味な地域との会話がなくなったことが、青年のパーソナリティ育成にマイナスの影響があるのではないか」と仮説を立てるようになりました。
当時は「なんの知識も経験もない学生が勝手にそう思った」だけだったため
近くの大学や都内の大学の社会科学、社会学、心理学、等々の教授たちに
自分が調べたことに関してどう思うかを聞いて回ったことがあります。
教授: 「あなたが調べた地域的な相関性はとても興味深いですね。特に、郊外化や商業施設の進出がコミュニティの結束を弱め、犯罪率に影響を与えているという仮説は、都市社会学においても一貫して議論されてきました。商店街がなくなることは、地元の住民同士の交流や社会的つながりが希薄化する要因になります。これは、特に地縁が強かったコミュニティにおいて、急速な都市化がもたらす典型的な問題です。」
私: 「確かに、私もその点が気になっていました。ショッピングモールの進出で、地元の人々が互いに顔を合わせる機会が減ってしまったようです。」
教授: 「そうですね。商業的な利便性は高まる一方で、顔が見える関係が失われてしまうのです。こうした現象は、ファスト風土化と呼ばれるものにも関連していますよ。」
教授: 「コミュニティの結束が弱まると、若者たちが社会的に孤立しやすくなります。特に、地元との関わりが少ない若者は、成長過程での人格形成に大きな影響を受けることが多いです。地域社会の対話や交流が減ることで、若者が周囲からのサポートやフィードバックを受けにくくなり、孤立感が深まります。」
私: 「インタビューでも、商店街の会話がなくなったと感じている人がいました。」
教授: 「まさにそれがポイントです。周囲との交流が減ることで、青年たちが犯罪に走りやすくなる心理的要因が強まるのです。」
教授: 「都市の開発が犯罪率に直接的な影響を与えるという指摘は興味深いですね。特に、国道の開通やショッピングモールの進出が地域の犯罪率を急増させるというのは、都市計画の観点からも重要なテーマです。交通インフラが発達することで不特定多数の人々が容易にアクセスできるようになりますが、その結果、地域の治安が悪化することがよくあります。」
私: 「データをプロットすると、国道開通後に犯罪が増加していました。」
教授: 「それは非常に興味深いですね。経済発展と同時に、社会的つながりが弱まるリスクがあることがわかります。」
教授: 「犯罪件数が増加する背景には、地域の社会的孤立や流動性の増加が関連していることがよくあります。特に、郊外化やショッピングモールの進出は、その地域に外部から人が集まりやすくなり、コミュニティの結束が希薄化します。それが犯罪発生率に影響を与えるのは当然のことです。」
私: 「住民が鍵をかけるようになったり、商店街が寂れたという声が多かったです。」
教授: 「鍵をかけるようになったというのは、コミュニティ内での信頼感が失われつつある兆候ですね。地域社会の監視機能が低下することで、犯罪が発生しやすくなります。」
このような会話を経て、
自分の調査を肯定的に捉えてくれる専門家が多かったため、
所属、年齢、性別関係なく多くの人たちはどう思うのかを知りたくなり、
2006年、神楽坂で行われたまちとびフェスタという地域のお祭りに目をつけ、
毘沙門天の境内に段ボールハウスを作り、そこにアートを施し、
人が観にくる環境で「このような調査に対してあなたはどう思いますか?」というアンケートを数百枚取りました。
現代社会におけるITツールや情報技術の進化(当時はmixiが有名で、facebookが流行り始めていました。)は、私たちの生活を飛躍的に便利にしました。インターネットを通じて瞬時に情報が得られ、SNSやチャットアプリなどを利用すれば、地理的な制約を超えて誰とでも簡単に連絡を取ることができるようになりました。また、電子決済やオンラインショッピング、遠隔医療なども、生活を快適にし、時間や労力を大幅に削減してくれます。しかし、その一方で、こうしたデジタル化された便利さの裏側には、顔の見えるつながりが失われつつあるという負の側面が存在するのではないか。
かつて、地域社会は対面でのコミュニケーションを基盤として機能していて、
商店街での買い物や地元のイベントを通じて、人々は自然と顔を合わせ、挨拶を交わし、相互に助け合う関係を築いていました。この「地縁」とも呼ばれるつながりは、個々の安心感や地域全体の安全を支える重要な要素でした。顔の見えるコミュニティがあることで、人々は互いを知り、共通の価値観やルールを共有し、潜在的なトラブルや危機に対して早期に対応することが可能だった可能性があります。
しかし、ITツールの普及に伴い、こうした地域社会のコミュニケーション構造が変容していて、
例えば、オンラインでの買い物が主流になり、商店街での対面のやりとりが減少すると、人々は地元の店主や隣人と顔を合わせる機会が減り、地域社会でのつながりが希薄化していきます。
また、SNSやデジタルメッセージングによって、物理的な接触なしに人々が情報を共有できるようになった結果、実際に顔を合わせる必要がないコミュニケーションが増え、直接的な人間関係が薄れがちです。このように「顔の見えるつながり」が減少すると、結果的に地域コミュニティの結束が弱まり、人々の孤立感が増す可能性があります。特に若者においては、地域社会との接触が希薄化することで、人格形成において重要なフィードバックや社会的な支援が不足しがちになります。
例えば、以前は商店街でのやりとりを通じて他者とのコミュニケーション能力が培われていたものが、現在ではその機会が減少し、孤立した環境で育つ若者が増えています。
さらに、地域社会の地縁が失われることで、犯罪や社会的なトラブルが増加する傾向も見られます。人々が互いに顔を合わせる機会が減ると、見知らぬ人や外部の影響に対する警戒心が薄れ、地域全体での安全性が低下するリスクがあります。また、個々人が地域の問題に関心を持たなくなり、地域の監視やサポート機能が低下することから、トラブルが発生しやすくなるのではないか。
こうした変化は、デジタル技術の進化がもたらす利便性と引き換えに、地域社会における人と人とのつながりを弱め、コミュニティの持つ相互支援や安全保障機能を損なうという現象に他なりません。このような背景を考慮すると、現代社会ではデジタル技術の恩恵を享受しつつも、いかにして「顔の見える」人間関係を維持・再構築するかが、今後の重要な課題となるのではないか。
しかし、そのようなことはみんなわかっていながらも得られるメリットが莫大なため、忙しい毎日の中で、そのために何か活動をしようということをすることはせず、薄々言われればわかってはいるけれど、そこまで真剣に取り組むようなことではない
ということでした。
もっともだと思います。
そのときまで漠然と「カフェや喫茶店で仕事をしたいな」と思っていたので、
カフェなんかを通して地縁づくりができるような仕事がないかと思っていたところ
それは「地域コミュニティを促進するコミュニティカフェ」というものであり、
仕事にするにはなかなか厳しいけれど、
そのような活動やNPOや稀に会社もあると聞き、
それ以降、カフェを組み込んでまちづくりや地縁作りをする会社さんで働き
勉強をしてきました。
まちづくりや地縁づくりといっても「まち」にはさまざまな人がいます。
サラリーマン, 飲食店オーナー, ネイリスト, インフルエンサー, ホテル従事者, 大工, 建設作業員, エンジニア, ウェブデザイナー, フリーランスライター, ジャーナリスト, カメラマン, ミュージシャン, 美容師, バーテンダー, ファッションデザイナー, アパレル店員, タクシー運転手, バス運転手, 駅員, 看護師, 医師, 薬剤師, 保育士, 教師, 研究者, 画家, 彫刻家, ギャラリーオーナー, 公務員, 警察官, 消防士, 弁護士, 税理士, 会計士, 不動産業者, 建築士, 農家, 漁師, 配達員, ガイド, 通訳, 翻訳者, スポーツインストラクター, ヨガ講師, パーソナルトレーナー, バレエダンサー, 演劇俳優, 映画監督, 映画プロデューサー, 声優, ラジオパーソナリティ, テレビキャスター, 音楽プロデューサー, 漫画家, 小説家, シェフ, パティシエ, 食品加工業者, フラワーアレンジャー, ウェディングプランナー, イベントコーディネーター, ショップマネージャー, アンティークディーラー, バスガイド, 観光案内所スタッフ, マーケティングプランナー, 広告代理店スタッフ, セールスマネージャー, カスタマーサポート, コールセンターオペレーター, プロジェクトマネージャー, 起業家, スタートアップ創業者, 投資家, 金融アナリスト, ファイナンシャルプランナー, 資産運用アドバイザー, 株式トレーダー, 不動産投資家, 動物園スタッフ, 獣医, ペットトリマー, トラック運転手, バスガイド, パイロット, 客室乗務員, 空港職員, 自動車整備士, 電気技師, プログラマー, システムアドミニストレーター, ネットワークエンジニア, AIエンジニア, データサイエンティスト, UXデザイナー, ゲームクリエイター, プロゲーマー, eスポーツ選手, スポーツ選手, 野球コーチ, サッカー監督, 柔道選手etc…..
多くの人たちが集まって「まち」となります。
その人たちの視点や立場、考え方がわからずに、綺麗事として「地域のため」というと、エゴになり得てしまいます。
弊社の仕事としてはWEBやマーケティングを中心に選んできましたが、
「福岡や、神楽坂,浅草などでまちづくりの文脈からホテルを立ち上げ運営をしたりもしました。
また、神戸や札幌などでカフェを行い、最近では新宿でも飲食店を行っています。
アパレルや、日本酒にトライすることも、現在も全省庁入札資格、東京都入札資格をもって行政のお仕事も展開しています。
さまざまな事業を実際に行い、
中国でも会社を作り、ベトナムでも会社を作り、スリランカでも旅行会社を作り、タイでも会計事務所を作り、さまざまな事業で成長をしました。
「地縁作りはキーマンがいなくなると続かない、継続性がない」という話も聞き、
2011年、川島商店街にて、東京行灯祭というお祭りを立ち上げ、8000人を集客しました。
この大きなお祭りを開催する中で、中野の地縁をつくるという実験的な試みで、
私たちがいなくてもこのお祭りは現在もなお続いています。
商店街巻き込み型のまちづくりの実践(PDF)
この実績では、商店街を中心とした地域活性化の取り組みが紹介されています。商店街と地域住民の協力によるまちづくりの成功事例が多数取り上げられ、具体的な方法論が提案されています。
守谷市民活動支援センター講演会に関する記事
守谷市民活動支援センターでの講演では、地域活動と商店街の連携を中心としたまちづくりの重要性が強調されました。具体的な事例と市民活動を巻き込んだ実践的なアプローチが説明されました。
守谷市のまちづくり施策(PDF)
守谷市が推進するまちづくりの具体的な施策や、商店街と市民の協力による地域の活性化の計画が紹介されています。地域経済とコミュニティ形成の両立を目指す内容が特徴です。
新しい公共支援事業 講演資料(PDF)
新しい公共支援事業における講演では、商店街を巻き込んだ公共事業の展開方法が語られています。地域社会が抱える課題に対して、商店街や市民の力を活用する具体的な方法が提示されています。
青森県での講演資料(PDF)
青森県で行われた講演では、商店街が果たす地域活性化の役割についての実例が紹介されました。地域住民と商店街が一体となり、持続可能なまちづくりを実現するための方法論が議論されました。
ビジネスも、社会的な継続性も成り立たせることができ、
改めて、「地縁づくり」と向き合う準備が整いました。
この社会的に不可欠な仕事を通して、
昔からの地縁のある中野区を中心に訪問看護事業を始めています。
中野区の訪問看護は、地域の高齢化や社会的孤立の進行に伴い、その重要性がますます高まっています。訪問看護は、医療的な支援を自宅で受けられるだけでなく、地域における「地縁作り」にも寄与する役割を担っています。特に、都市部では地域コミュニティのつながりが希薄になりやすく、家族や近隣住民との接触が減少し、孤立する高齢者が増えている現状があります。
訪問看護は、このような孤立感を和らげ、地域での見守り体制を強化するための重要な手段です。看護師が定期的に患者の自宅を訪問することで、単に医療ケアを提供するだけでなく、地域とのつながりが生まれるきっかけを作ります。看護師が地域の中で信頼できる存在となることで、患者の健康状態や生活環境に関する情報が地域全体で共有されやすくなり、地域社会のセーフティーネットが強化されます。
さらに、訪問看護は地域の他の医療・福祉サービスとの連携を通じて、地域全体のつながりを深める役割も果たします。例えば、ケアマネージャーや地域包括支援センターとの協力により、必要に応じて迅速な対応が可能となり、患者の健康だけでなく、生活全体の質を向上させることができます。
地縁作りの観点から言えば、訪問看護は「顔の見えるケア」を提供し、患者やその家族が地域の中で孤立することなく、他者とのつながりを持ち続けるための重要な役割を果たしています。このような地縁が形成されることで、患者は精神的にも支えられ、生活の質が向上するだけでなく、地域社会全体の安心感や一体感も高まると考えられます。
中野区のような都市部であっても、このような訪問看護の取り組みを通じて地域社会の結束が強まり、住民が互いに支え合う「地縁」の重要性が再認識されることが期待されます。